📝EggUライター/ライフコーチ みーやん
妊娠がわかり、「退職せずに産休・育休を取得して復帰する」と決めた。制度についてもひと通り調べ、手続きも済ませた。
――では、実際にどのように復帰するのでしょうか。
この「復帰までに何を準備しておくか」という部分は、意外と見落とされがちなポイントだと感じています。制度についてはこれまでの他のコラムでも詳しく紹介してきましたので、今回は少し視点を変えて、復帰までに、自分の中で・家族の中で、何を話し合っておくとよいか」というプランニングについてお伝えしたいと思います。
私自身、最近二人目を出産し、久しぶりに仕事へ復帰しました。5歳になる娘のときの復帰と比べて、かなり勝手が違い、戸惑うことも多くありました。今回はその実体験も交えながら一緒に考えていきたいと思います。
1. まずは、自分の気持ちに向き合ってみる
制度面の準備の前に、実はここが一番大切だと感じています。「自分は本当はどうしたいのか」を、あらためて自分自身に問いかけてみることです。
子どもとの時間、どのくらい必要か
一人目のときは、「育休はあらかじめ決められた期間のもの」というくらいの認識しかありませんでした。しかし二人目を迎えて改めて感じたのは、育休中は子どもと100%向き合える、人生の中でも非常に貴重な期間だということです。
いざ保育園に預ける段階になり、「まだもう少し一緒にいたい」という気持ちが急にわいてきたことがありました。一人目のときにはなかった感覚で、自分自身でも意外に感じました。結果として、当初想定していたよりも復帰時期を少し延ばすという選択をしました。
こうした気持ちの変化は、決して珍しいことではなく、むしろ自然な感情だと思います。だからこそ、「〇カ月で復帰する」とあらかじめ決めすぎず、その時々の自分の気持ちを確認しながら、時期を柔軟に見直してよいということをお伝えしたいです。
復帰のベストなタイミングとは
こちらも、唯一の正解があるわけではありません。
-
保育園の入りやすさ(4月入園を狙うか、空きが出たタイミングで動くか)
-
育休給付金の延長条件(1歳、1歳半など)
-
ご自身の体力・メンタル面の回復具合
-
職場のプロジェクトの区切り
こうした要素を並べてみると、「絶対にこのタイミング」という正解はなく、どこに優先順位を置くかという話になってきます。私の場合は、「保育園の空き状況」と「自分の気持ちの整理」を優先し、やや遅めのタイミングを選びました。
母乳育児をいつまで続けたいか
これも母乳育児をしている人にとっては意外と大きなテーマです。復帰後も母乳育児を続けたいのか、それとも粉ミルクフォーミラーへ切り替えるのか。続ける場合には、
-
職場に搾乳できる環境があるか(搾乳室、冷蔵庫の有無など)
-
搾乳の時間をどのように業務スケジュールへ組み込むか
-
保育園への搾乳母乳の持参ルール
-
哺乳瓶への移行の時期はどうするか
といった点を、復帰前にある程度調べておくと安心です。「復帰すれば自然と授乳の頻度も落ち着くだろう」と考えていても、想像以上に子どもも自分も授乳に対する思い入れが強い場合もあります。授乳をどうしたいかは、早めにご自身の中で言語化しておくことをおすすめします。

2. 復帰後の働き方を、具体的にイメージできているか
気持ちの整理と同じくらい重要なのが、「実際に復帰後どのように働くか」という具体的なすり合わせです。私自身、今回はこの部分でかなりつまずきました。
自分の働き方をイメージする
-
時短勤務にするか、フルタイムで復帰するか
-
在宅勤務は利用できるか、出社は週にどの程度必要か
-
急な発熱などで早退・欠勤が発生した際のバックアップ体制
こうした点は、復帰前に一度上司や人事担当者と具体的にすり合わせておくことで、復帰後のギャップを減らすことができます。
パートナーの働き方も、あわせて考える
そして、今回もっとも痛感したのがこの点です。子育ては、自分の働き方だけを決めても成り立たないということです。
一人目のときは、それほど綿密にすり合わせをしていなくても、ある程度うまく回っていました。しかし二人目が生まれたあとは、引っ越し開園時間が遅い保育園に変わったことや、夫の通勤時間が長くなったこと、一人目の習い事などの兼ね合いから自分と夫それぞれの仕事の時間と、保育園の送り迎えの時間がうまくかみ合わず、何度もぶつかることがありました。
「その日は夫が送りの担当のはずだったのに、朝から会議で難しい」といったすれ違いが重なり、お互いに余裕がなくなる時期もありました。最終的には、
-
夫に仕事のスケジュールをある程度調整してもらう
-
お互いの「ここは譲れない」「ここは融通がきく」という点を、きちんと言葉にして話し合う
というプロセスを経て、ようやく落ち着いてきました。感覚的な「なんとなくの分担」ではなく、お互いの期待値を明確にすり合わせる作業が、想像していた以上に重要でした。
具体的には、次のような点を話し合っておくとよいかもしれません。
-
送り・迎えは、それぞれ誰がメインで担当するか。曜日ごとに固定するか
-
どちらかの仕事が繁忙期に入った際、どのように分担を調整するか
-
子どもの急な体調不良の際、優先的に休むのはどちらか
-
お互いのキャリアにおいて、「ここは譲れない」というポイントはどこか
こうした話し合いは、復帰直前に慌てて行うよりも、時間的な余裕があるうちに一度じっくり行っておくことを強くおすすめします。また、やってみて環境や状況に応じてお互いに負担が少ない方法を探れるよう、夫婦で定期的に振り返り見直す機会を作るというのもとても大切です

3. 復帰前に整えておきたい、実践チェックリスト
気持ちの整理と復帰後のイメージができたら方向性が見えてきたら、次は具体的な準備です。「気づいたら復帰1カ月前で、何も準備ができていないも決まっていない」ということにならないよう、私自身が「もっと早く着手しておけばよかった」と感じた点をまとめました。
預け先について
-
保育園・ベビーシッター・祖父母など、預け先の候補をいくつか挙げておく
-
預け先の候補が決まったら復帰前にお試しで慣れさせる時間を作る
-
希望する保育園がある場合は、早めに問い合わせを行い、待機リストに名前を入れておく(地域や園によっては、想定以上に早い時期からの動き出しが必要な場合もあります)
「そのうち考えよう」と後回しにしていると、気づいたときには申し込みの時期を過ぎていた、ということも起こり得ます。預け先に関する情報収集だけは、早めに動いておくことをおすすめします。
勤務形態について
-
復帰後、時短勤務や在宅勤務が利用できるかを、会社に事前に確認しておく
-
送迎が必要な場合、送り・迎えの担当をパートナーとどのように分けるか、具体的なロジスティクス(誰が何時に家を出て、誰が何時に迎えに行くか)まで話し合っておく
「なんとなく分担する」という形で終わらせず、実際のタイムラインに落とし込んで話し合うことで、復帰後の混乱をかなり軽減できます。
復帰タイミングについて
-
1歳、1歳半など、育休給付金の延長条件もふまえながら、復帰時期を検討しておく
-
復帰のタイミングを決めたからといって、必ず気持ちや環境の準備ができるとは限らないため、柔軟性を持っておく
授乳について
-
復帰後も母乳育児を続けたい場合、搾乳の準備や粉ミルクや哺乳瓶への移行をいつごろから始めるか、目安の時期を考え練習を始めておく
-
復帰を機に母乳から粉ミルクに移行する予定の場合は、粉ミルク・哺乳瓶への移行の時期を考え、それに合わせて前もって準備を始める
-
夜間授乳がまだ頻回に必要な場合は、復帰前にできる対策を検討しておく
-
パートナーと夜間対応の役割分担を決めておく(交代制にする、どちらかが主に担当するなど)
-
頻回に起きる原因を探ってみる(空腹、睡眠環境、生活リズムなど)
-
必要に応じて、ねんねトレーニングの導入を検討する
夜間授乳が続いた状態で復帰すると、日中の業務にも影響が出やすくなります。復帰前の数週間から1カ月程度は、こうした点を意識的に整える時間として活用するのも一つの方法です。
家庭内の分担について
-
送迎だけでなく、家事・育児全体の分担についても、パートナーや同居家族と話し合っておく
一つひとつは小さなことですが、こうして整理してみると、復帰前に取り組むべきことは意外に多いものです。すべてを完璧にこなす必要はありませんので、まだ着手できていない項目から、少しずつでも動かしておくことで、復帰後のご自身がかなり楽になるはずです。
4. 完璧なプランでなくてよい
ここまでさまざまな点をお伝えしてきましたが、正直なところ、すべてが計画通りに進むことはまずありません。私自身、今回も予定より復帰を遅らせましたし、夫との分担についても試行錯誤の連続でした。
大切なのは、「最初に立てたプラン通りにやり切ること」ではなく、その都度、ご自身の気持ちや家族の状況にあわせて見直してよい、と考えられることではないかと思います。
制度の話とは少し異なる、実践的なプランニングについてお伝えしました。もし今、復帰時期やパートナーとの分担について悩まれている方がいらっしゃれば、「自分自身の気持ち」と「家族との具体的なすり合わせ」、この二点をぜひ大切にしていただければと思います。
一人で悩まず、専門家に話してみるという選択肢
ここまでお伝えしてきたように、復帰前のプランニングには、キャリアのこと、パートナーとの分担のこと、授乳のことなど、考えるべきテーマが数多くあります。頭ではわかっていても、いざ一つひとつを整理しようとすると、「何から手をつければよいのか」「この悩みは誰に相談すればよいのか」と迷ってしまう方も少なくないのではないでしょうか。
そんなときは、一人で、あるいはパートナーとだけで抱え込まず、専門家の力を借りるのも一つの方法です。
EggUでは、「キャリアも、妊娠・出産などのライフプランも諦めたくない」という女性のために、オンラインカウンセリングサービスを提供しています。中でもオンラインキャリアコーチングでは、仕事と家庭の両立や、復帰後のキャリア形成について、専門のコーチに直接相談することができます。「時短勤務かフルタイムか」「復帰のタイミングをいつにするか」といった、今回のコラムでお伝えしたようなテーマについても、ご自身の状況にあわせて一緒に整理していくことが可能です。
また、夜間授乳や授乳の移行など、体調やお子さまに関わる悩みについては、助産師によるオンライン相談もご利用いただけます。パートナーと一緒にカウンセリングを受けることもできますので、ご夫婦で一緒に今後のプランを考えたいという場合にもおすすめです。
漠然とした不安を抱えたままにせず、専門家とともに「今の自分」に合ったプランを描いてみませんか。詳しくはEggU公式サイトをご覧ください。
📝ライター EggUライター/ライフコーチ みーやん
日本で救急看護師として経験を積んだ後、海外留学を経てオーストラリアでも看護師資格を取得。30代後半で結婚、妊活を経て不妊を経験するも第一子を出産し、40代では不妊治療を経て第二子を出産。キャリアとライフプランの狭間で悩んできた一人です。オーストラリアで看護師として働きながら、EggUカウンセラーとして沢山の女性と関わってきました。現在は臨床を続けながら、EggUライターやライフコーチとして活動中です。