COLUMN

妊娠への不安を抱えたまま妊活していいの?「いつか欲しいけど、今ではない」と迷うあなたへ

妊娠への不安を抱えたまま妊活していいの?「いつか欲しいけど、今ではない」と迷うあなたへ

📝EggUライター みーやん  「子どもはいつか欲しいけど、今ではない気がする…」 EggUのユーザーさんから多くいただく声のひとつが、「妊娠・出産を迷っている、心から準備できていない段階で妊活を始めていいのだろうか?」というお悩みです。 将来的には子どもが欲しい。漠然と、子どもがいる人生を思い描くこともある。けれど、いざ具体的に考えようとすると踏み切れない。そんな妊娠への不安を抱えている女性は、決して少なくありません。 この記事では、その気持ちの後ろに隠れている悩みに、一緒に向き合っていきたいと思います。 「今ではない」の裏にある、妊娠への不安の正体 「今ではない」という気持ちの裏側には、さまざまな不安や迷いが隠れています。たとえば、次のような声です。 「仕事が楽しくなってきた。今休んだらキャリアが止まってしまうのでは?」 「子どもができたら、今までのような生活はできなくなる」 「子育てというと、ネガティブな話ばかり耳に入ってくる」 「子育ての負担は、きっと自分にくるだろう…」 「自分の親のようには育てたくない。そんな親に育てられた自分が、よい母親になれるのだろうか?」 「自分は本当に子どもができるのだろうか?向き合うのが怖い」 どれも、とても自然な不安です。まずは「こんなふうに悩むのは自分だけではない」と知ってください。そのうえで、それぞれの悩みを少し掘り下げてみると、もっと深いところに本当の引っかかりが隠れていることがあります。 不安を掘り下げる:「子育ての負担はきっと自分にくる」は本当? 例として、「子育ての負担はきっと自分にくるだろう…」という不安を考えてみましょう。 パートナーは「子どもは欲しい」と言っている。でも、いつも帰りが遅く、休日出勤も当たり前。子どもができたら、育児も家事もきっと自分に集中してしまう。休日に子どもと出かける時間も作ってもらえないかもしれない…。そう考えてしまうのは、当たり前のことだと思います。 ここで一度立ち止まって考えたいのは、「子育ての負担はきっと自分にくる」という仮説は、本当にそうなのか?ということです。 子どもができてからどうやりくりするのか、二人の役割分担や働き方をどうするのか。実はまだ、そこまで具体的に話せていない、というケースは多いのではないでしょうか。もしそうなら、パートナーと具体的に話し合ってみることは欠かせません。 子育てについての価値観 自分にできること、パートナーにできること 譲れないこと、歩み寄れること こうしたことをオープンに話してみることで、案外すんなり解決することもあります。 一方で、話し合う中で「自分が築きたい家庭像と、パートナーの価値観が大きく違う」と気づくこともあるかもしれません。その奥に、「今のパートナーとの子どもは、考えられない」という本音が隠れていることもあります。 どちらの場合も、気づけたこと自体が大きな前進です。根本にある悩みと向き合うことで、次の行動が大きく変わってくることもよくあります。 「自分は本当に子どもができるのだろうか?」という不安 そして、もうひとつ。多くの方の心の奥にあるのが、次の不安ではないでしょうか。 「自分は本当に子どもができるのだろうか?向き合うのが怖い」 妊娠・出産を考えるとき、気持ちの準備や環境の準備と同じくらい、「自分のからだはどうなんだろう」という気がかりが頭をよぎります。でも、知るのが怖くて、つい目をそらしてしまう。「今ではない」という気持ちの中に、実はこの不安が混ざっている方も少なくありません。 ただ、漠然とした不安は、考えれば考えるほど大きくなりがちです。反対に、自分のからだの状態を知ることで、不安が整理され、気持ちが軽くなることも多くあります。...

妊娠への不安を抱えたまま妊活していいの?「いつか欲しいけど、今ではない」と迷うあなたへ

📝EggUライター みーやん  「子どもはいつか欲しいけど、今ではない気がする…」 EggUのユーザーさんから多くいただく声のひとつが、「妊娠・出産を迷っている、心から準備できていない段階で妊活を始めていいのだろうか?」というお悩みです。 将来的には子どもが欲しい。漠然と、子どもがいる人生を思い描くこともある。けれど、いざ具体的に考えようとすると踏み切れない。そんな妊娠への不安を抱えている女性は、決して少なくありません。 この記事では、その気持ちの後ろに隠れている悩みに、一緒に向き合っていきたいと思います。 「今ではない」の裏にある、妊娠への不安の正体 「今ではない」という気持ちの裏側には、さまざまな不安や迷いが隠れています。たとえば、次のような声です。 「仕事が楽しくなってきた。今休んだらキャリアが止まってしまうのでは?」 「子どもができたら、今までのような生活はできなくなる」 「子育てというと、ネガティブな話ばかり耳に入ってくる」 「子育ての負担は、きっと自分にくるだろう…」 「自分の親のようには育てたくない。そんな親に育てられた自分が、よい母親になれるのだろうか?」 「自分は本当に子どもができるのだろうか?向き合うのが怖い」 どれも、とても自然な不安です。まずは「こんなふうに悩むのは自分だけではない」と知ってください。そのうえで、それぞれの悩みを少し掘り下げてみると、もっと深いところに本当の引っかかりが隠れていることがあります。 不安を掘り下げる:「子育ての負担はきっと自分にくる」は本当? 例として、「子育ての負担はきっと自分にくるだろう…」という不安を考えてみましょう。 パートナーは「子どもは欲しい」と言っている。でも、いつも帰りが遅く、休日出勤も当たり前。子どもができたら、育児も家事もきっと自分に集中してしまう。休日に子どもと出かける時間も作ってもらえないかもしれない…。そう考えてしまうのは、当たり前のことだと思います。 ここで一度立ち止まって考えたいのは、「子育ての負担はきっと自分にくる」という仮説は、本当にそうなのか?ということです。 子どもができてからどうやりくりするのか、二人の役割分担や働き方をどうするのか。実はまだ、そこまで具体的に話せていない、というケースは多いのではないでしょうか。もしそうなら、パートナーと具体的に話し合ってみることは欠かせません。 子育てについての価値観 自分にできること、パートナーにできること 譲れないこと、歩み寄れること こうしたことをオープンに話してみることで、案外すんなり解決することもあります。 一方で、話し合う中で「自分が築きたい家庭像と、パートナーの価値観が大きく違う」と気づくこともあるかもしれません。その奥に、「今のパートナーとの子どもは、考えられない」という本音が隠れていることもあります。 どちらの場合も、気づけたこと自体が大きな前進です。根本にある悩みと向き合うことで、次の行動が大きく変わってくることもよくあります。 「自分は本当に子どもができるのだろうか?」という不安 そして、もうひとつ。多くの方の心の奥にあるのが、次の不安ではないでしょうか。 「自分は本当に子どもができるのだろうか?向き合うのが怖い」 妊娠・出産を考えるとき、気持ちの準備や環境の準備と同じくらい、「自分のからだはどうなんだろう」という気がかりが頭をよぎります。でも、知るのが怖くて、つい目をそらしてしまう。「今ではない」という気持ちの中に、実はこの不安が混ざっている方も少なくありません。 ただ、漠然とした不安は、考えれば考えるほど大きくなりがちです。反対に、自分のからだの状態を知ることで、不安が整理され、気持ちが軽くなることも多くあります。...

キャリアのための転職と不妊治療、両方叶えるにはどう決めたらいい?

キャリアのための転職と不妊治療、両方叶えるにはどう決めたらいい?

📝EggUライター/ライフコーチ  みーやん   「ずっとキャリアアップのために転職したいと思っていた。でも、そろそろ不妊治療も始めたい」 そんなふうに、2つの大きな決断が同時にやってきて、どちらを優先すればいいのか分からなくなっている方も多いのではないでしょうか。転職を考えやすい20代後半〜30代は、妊活や不妊治療を考え始める時期とも重なりやすいものです。新しい環境で挑戦したいという前向きな気持ちがある一方で、不妊治療は通院の頻度が読みにくく、体調やスケジュールが不安定になりがちで、どうしても噛み合いにくいと感じてしまいます。 このコラムでは、不妊治療をしながら転職も経験した私自身の体験を交えながら、「転職」と「不妊」というテーマにどう向き合っていけばいいのか、一緒に考えていきたいと思います。 「不妊治療は転職にどう響くのか」多くの人が気にするポイント 転職と不妊治療を同時に考えたとき、一番のモヤモヤは「不妊治療をしていることが、転職そのものに不利に働くのではないか」という不安ではないでしょうか。場面ごとに整理してみます。 応募書類・面接では、話す義務はない 履歴書や職務経歴書に書く必要はなく、面接で自分から申告する義務もありません。婚姻状況や妊娠・出産の予定を採用選考の場で尋ねることは望ましくないとされています。「聞かれたらどう答えよう」と身構えなくても大丈夫です。 「言わない」ことは不誠実ではない 不妊治療はプライベートな医療情報です。転職活動の段階で開示するかどうかは、自分の判断に委ねられています。私自身も面接では話しませんでしたが、それで問題が起きたことはありませんでした。 入職後の評価に響くかどうかは、伝え方とタイミング次第 本当に不安が現実味を帯びるのは、転職そのものより「入職後に治療を始めたとき、仕事にどう影響するか」です。入職してすぐではなく信頼関係ができてから伝える、休みが必要になりそうな時期をあらかじめ大まかに共有する、といった工夫の余地は大きいです。私自身も、看護師長との関係性ができた頃合いを見て伝え、急な休みにも比較的スムーズに対応してもらえました。 転職エージェントを使う場合 理由を詳しく話さなくても、「勤務時間の融通が利く職場を希望している」といった条件だけ伝えれば、マッチする求人を提案してもらいやすくなります。 私自身の経験:引っ越しがきっかけの転職 私も、不妊治療を始めることを分かっていながら転職をした人の一人です。私の場合はキャリアアップというより、引っ越しにともなって働く病院を変える必要があったという事情でしたが、状況としては近いものがあると思うので、参考までにお話しします。 面接では不妊治療を始める予定であることはあえて話しませんでした。ただ、治療には時間的にも身体的にも負担がかかることは分かっていたので、まずは負担の少ない職場を選び、パートタイムというかたちで働き始めました。実際に治療をスタートしたのは、入職して看護師長との信頼関係がある程度できてきた頃で、検査や採卵で急な休みが出るかもしれないことは、そのタイミングで正直に伝えました。 幸い2回の治療後、自然妊娠することができましたが、「もしもっと長引いたら、職場に迷惑をかけてしまうのではないか」という不安は、治療期間中ずっと心のどこかにありました。この気持ちは、不妊治療と仕事を両立する人の多くが感じるものなのではないかと思います。 「転職」か「不妊治療」か、決める前に考えたい3つの視点 キャリアアップを目的とした転職を考えている方にとっては、特に悩ましいテーマだと思います。決断の前に、次の3つの視点で整理してみることをおすすめします。 「今すぐ」でなければいけない理由があるか:年齢的なタイムリミットなのか、キャリア上のチャンスなのか。両方に緊急性がある場合もあれば、どちらか一方は先延ばしにできる場合もあります。 職場選びに「両立のしやすさ」を条件として入れる:給与や役職だけでなく、通院への理解が得られやすいか、勤務時間の融通が利くかも判断材料にしましょう。私自身、あえて負担の少ないパートタイムを選んだように、フルタイム・正社員だけにこだわる必要はないかもしれません。 伝えるタイミングは自分でコントロールできる:面接で必ず伝える必要はなく、入職後に職場の雰囲気や関係性を見ながら決めても遅くありません。「言わなければいけない」というプレッシャーを自分に課しすぎないことも大切です。 上司に開示せずに不妊治療を始めるという選択肢もある そもそも上司に開示しないまま治療を始める、という選択も十分にあります。特に転職したばかりの職場では、「まだ信頼関係もできていないのに、プライベートな話をするのは抵抗がある」と感じるのは自然なことです。 検査やタイミング指導など通院回数が少ない段階は、有給や半休の範囲で対応できることが多く、理由も「私用のため」「通院のため」で十分なことがほとんどです 夜間・土日診療やオンライン診療を組み合わせられるクリニックを選ぶと、休む頻度そのものを減らせます 理由までは伝えず、「この日は通院で午後から出社」というように休みそうな日だけ先に共有しておくと、業務調整がしやすくなります 採卵や移植など治療が本格化して通院頻度や身体的負担が増えてきたら、開示するかどうかを改めて見直すのも一つの方法です。「今は開示しない」は「ずっと開示しない」という意味ではありません...

キャリアのための転職と不妊治療、両方叶えるにはどう決めたらいい?

📝EggUライター/ライフコーチ  みーやん   「ずっとキャリアアップのために転職したいと思っていた。でも、そろそろ不妊治療も始めたい」 そんなふうに、2つの大きな決断が同時にやってきて、どちらを優先すればいいのか分からなくなっている方も多いのではないでしょうか。転職を考えやすい20代後半〜30代は、妊活や不妊治療を考え始める時期とも重なりやすいものです。新しい環境で挑戦したいという前向きな気持ちがある一方で、不妊治療は通院の頻度が読みにくく、体調やスケジュールが不安定になりがちで、どうしても噛み合いにくいと感じてしまいます。 このコラムでは、不妊治療をしながら転職も経験した私自身の体験を交えながら、「転職」と「不妊」というテーマにどう向き合っていけばいいのか、一緒に考えていきたいと思います。 「不妊治療は転職にどう響くのか」多くの人が気にするポイント 転職と不妊治療を同時に考えたとき、一番のモヤモヤは「不妊治療をしていることが、転職そのものに不利に働くのではないか」という不安ではないでしょうか。場面ごとに整理してみます。 応募書類・面接では、話す義務はない 履歴書や職務経歴書に書く必要はなく、面接で自分から申告する義務もありません。婚姻状況や妊娠・出産の予定を採用選考の場で尋ねることは望ましくないとされています。「聞かれたらどう答えよう」と身構えなくても大丈夫です。 「言わない」ことは不誠実ではない 不妊治療はプライベートな医療情報です。転職活動の段階で開示するかどうかは、自分の判断に委ねられています。私自身も面接では話しませんでしたが、それで問題が起きたことはありませんでした。 入職後の評価に響くかどうかは、伝え方とタイミング次第 本当に不安が現実味を帯びるのは、転職そのものより「入職後に治療を始めたとき、仕事にどう影響するか」です。入職してすぐではなく信頼関係ができてから伝える、休みが必要になりそうな時期をあらかじめ大まかに共有する、といった工夫の余地は大きいです。私自身も、看護師長との関係性ができた頃合いを見て伝え、急な休みにも比較的スムーズに対応してもらえました。 転職エージェントを使う場合 理由を詳しく話さなくても、「勤務時間の融通が利く職場を希望している」といった条件だけ伝えれば、マッチする求人を提案してもらいやすくなります。 私自身の経験:引っ越しがきっかけの転職 私も、不妊治療を始めることを分かっていながら転職をした人の一人です。私の場合はキャリアアップというより、引っ越しにともなって働く病院を変える必要があったという事情でしたが、状況としては近いものがあると思うので、参考までにお話しします。 面接では不妊治療を始める予定であることはあえて話しませんでした。ただ、治療には時間的にも身体的にも負担がかかることは分かっていたので、まずは負担の少ない職場を選び、パートタイムというかたちで働き始めました。実際に治療をスタートしたのは、入職して看護師長との信頼関係がある程度できてきた頃で、検査や採卵で急な休みが出るかもしれないことは、そのタイミングで正直に伝えました。 幸い2回の治療後、自然妊娠することができましたが、「もしもっと長引いたら、職場に迷惑をかけてしまうのではないか」という不安は、治療期間中ずっと心のどこかにありました。この気持ちは、不妊治療と仕事を両立する人の多くが感じるものなのではないかと思います。 「転職」か「不妊治療」か、決める前に考えたい3つの視点 キャリアアップを目的とした転職を考えている方にとっては、特に悩ましいテーマだと思います。決断の前に、次の3つの視点で整理してみることをおすすめします。 「今すぐ」でなければいけない理由があるか:年齢的なタイムリミットなのか、キャリア上のチャンスなのか。両方に緊急性がある場合もあれば、どちらか一方は先延ばしにできる場合もあります。 職場選びに「両立のしやすさ」を条件として入れる:給与や役職だけでなく、通院への理解が得られやすいか、勤務時間の融通が利くかも判断材料にしましょう。私自身、あえて負担の少ないパートタイムを選んだように、フルタイム・正社員だけにこだわる必要はないかもしれません。 伝えるタイミングは自分でコントロールできる:面接で必ず伝える必要はなく、入職後に職場の雰囲気や関係性を見ながら決めても遅くありません。「言わなければいけない」というプレッシャーを自分に課しすぎないことも大切です。 上司に開示せずに不妊治療を始めるという選択肢もある そもそも上司に開示しないまま治療を始める、という選択も十分にあります。特に転職したばかりの職場では、「まだ信頼関係もできていないのに、プライベートな話をするのは抵抗がある」と感じるのは自然なことです。 検査やタイミング指導など通院回数が少ない段階は、有給や半休の範囲で対応できることが多く、理由も「私用のため」「通院のため」で十分なことがほとんどです 夜間・土日診療やオンライン診療を組み合わせられるクリニックを選ぶと、休む頻度そのものを減らせます 理由までは伝えず、「この日は通院で午後から出社」というように休みそうな日だけ先に共有しておくと、業務調整がしやすくなります 採卵や移植など治療が本格化して通院頻度や身体的負担が増えてきたら、開示するかどうかを改めて見直すのも一つの方法です。「今は開示しない」は「ずっと開示しない」という意味ではありません...

「妊娠前の転職」に向き合う。企業と人材が、未来のライフイベントを共に歓迎できる採用とは

「妊娠前の転職」に向き合う。企業と人材が、未来のライフイベントを共に歓迎できる採用とは

〜「入社すぐの妊娠」への不安を、「長く活躍してもらうための信頼」に変える、フラットな対話のヒント〜 採用面接の現場で、実績も人柄も申し分ない20代後半〜30代の優秀な応募者に出会ったとき、採用担当者や現場の管理職の方々の頭を、ふとこんな思いがよぎることがあります。 「もし、入社してすぐに妊娠や出産といったライフイベントが重なったら、現場の体制は維持できるだろうか」  「仕事を覚えてもらう途中で産休に入ることになったら、本人にも負担をかけてしまうのではないか」 これは、採用コストやチームのマネジメントに責任を持ち、同時に応募者のことも真剣に考えているからこそ生じる、非常にリアルで誠実な葛藤です。 今回は、「妊娠前の転職」という少しデリケートなテーマについて、企業と応募者の双方が過度な遠慮やすれ違いをなくし、長期的な信頼関係を築くためのヒントを考えます。 相手を想うからこそ生じる、採用現場の「すれ違い」 採用において、企業側と応募者側の双方が相手を慮るあまり、本音を共有できないままモヤモヤを抱えてしまうケースがあります。 企業側の葛藤:「現場のやりくり」への責任と、「どこまで聞いていいのか」という迷い 「入社後すぐに休職に入られた場合、周囲のフォロー体制が追いつかないのでは」という組織運営上の懸念。 さらに、プライバシーへの配慮からライフプランの話題に踏み込めず、お互いに見通しが立たないまま合否を判断せざるを得ない難しさがあります。 応募者側の葛藤:「長く働きたい」からこその不安と申し訳なさ 「今の職場では両立が難しいけれど、キャリアを諦めずに長く働きたい」という前向きな意欲があるからこそ、ライフイベントの前に転職活動をしています。 同時に、「入社してすぐに妊娠したら会社に迷惑をかけてしまう」と、強い罪悪感や不安を抱えていることも少なくありません。 お互いに「誠実でありたい」と願っているからこそ、対話にブレーキがかかってしまいがちです。 採用の場で大切にしたい、2つのフラットな視点 お互いが納得感を持って新しいスタートを切るために、まずは以下の前提を整理しておくと、採用の判断や対話がスムーズになります。 合否の判断は「これまでの成果と能力」に対して行う採用の基準は、本人のこれまでの実績やスキル、そして「自社の社風や価値観に共感し、一緒に気持ちよく働けそうか」という点です。 将来起こるかもしれない「不確定なライフイベント」を理由に評価を保留することは、客観的な実力主義の観点からも、一度フラットに見直してみる価値があります。 「5年、10年スパン」で人材の貢献度を捉える 仮に入社後1〜2年のうちに産休・育休期間が入ったとしても、長期的な視点で見れば、自社の文化を理解し、復職後に力を発揮してくれる中核人材としての貢献度は非常に大きなものになります。「入社時の数ヶ月」だけでなく、長い目で仲間を迎える視点がお互いの安心感につながります。 リスクと希望をオープンにする「面接での対話ステップ」 プライバシーに過度に踏み込まず、それでいてお互いの不安を解消するためのコミュニケーションのステップです。 ステップ①:企業側から「両立を歓迎するスタンス」を先に示す 「当社では、ライフイベントがあっても長く活躍してほしいと考えています」という姿勢や、実際の復職事例、柔軟な働き方の選択肢を、会社側の情報としてオープンに伝えます。これにより、応募者は「この会社なら本音を話しても大丈夫かもしれない」と心理的ハードルを下げることができます。 ステップ②:「もしもの時」のキャリアイメージを一緒に描く 「いつ妊娠の予定がありますか?」と尋ねるのではなく、「もし将来的にライフステージの変化があった場合、どんなペースでキャリアを築いていきたいと考えていますか?」と、本人の意思や希望を主体的に聴き出す対話を行います。 ステップ③:現場のフォロー体制をオープンに共有する 「急な休みや体制変更があっても、チームでカバーできるようにマニュアル化を進めている」など、現場の現状を率直に共有します。 企業側の現実的な受け入れ態勢を伝えることで、応募者側も過度な申し訳なさを感じずに済みます。...

「妊娠前の転職」に向き合う。企業と人材が、未来のライフイベントを共に歓迎できる採用とは

〜「入社すぐの妊娠」への不安を、「長く活躍してもらうための信頼」に変える、フラットな対話のヒント〜 採用面接の現場で、実績も人柄も申し分ない20代後半〜30代の優秀な応募者に出会ったとき、採用担当者や現場の管理職の方々の頭を、ふとこんな思いがよぎることがあります。 「もし、入社してすぐに妊娠や出産といったライフイベントが重なったら、現場の体制は維持できるだろうか」  「仕事を覚えてもらう途中で産休に入ることになったら、本人にも負担をかけてしまうのではないか」 これは、採用コストやチームのマネジメントに責任を持ち、同時に応募者のことも真剣に考えているからこそ生じる、非常にリアルで誠実な葛藤です。 今回は、「妊娠前の転職」という少しデリケートなテーマについて、企業と応募者の双方が過度な遠慮やすれ違いをなくし、長期的な信頼関係を築くためのヒントを考えます。 相手を想うからこそ生じる、採用現場の「すれ違い」 採用において、企業側と応募者側の双方が相手を慮るあまり、本音を共有できないままモヤモヤを抱えてしまうケースがあります。 企業側の葛藤:「現場のやりくり」への責任と、「どこまで聞いていいのか」という迷い 「入社後すぐに休職に入られた場合、周囲のフォロー体制が追いつかないのでは」という組織運営上の懸念。 さらに、プライバシーへの配慮からライフプランの話題に踏み込めず、お互いに見通しが立たないまま合否を判断せざるを得ない難しさがあります。 応募者側の葛藤:「長く働きたい」からこその不安と申し訳なさ 「今の職場では両立が難しいけれど、キャリアを諦めずに長く働きたい」という前向きな意欲があるからこそ、ライフイベントの前に転職活動をしています。 同時に、「入社してすぐに妊娠したら会社に迷惑をかけてしまう」と、強い罪悪感や不安を抱えていることも少なくありません。 お互いに「誠実でありたい」と願っているからこそ、対話にブレーキがかかってしまいがちです。 採用の場で大切にしたい、2つのフラットな視点 お互いが納得感を持って新しいスタートを切るために、まずは以下の前提を整理しておくと、採用の判断や対話がスムーズになります。 合否の判断は「これまでの成果と能力」に対して行う採用の基準は、本人のこれまでの実績やスキル、そして「自社の社風や価値観に共感し、一緒に気持ちよく働けそうか」という点です。 将来起こるかもしれない「不確定なライフイベント」を理由に評価を保留することは、客観的な実力主義の観点からも、一度フラットに見直してみる価値があります。 「5年、10年スパン」で人材の貢献度を捉える 仮に入社後1〜2年のうちに産休・育休期間が入ったとしても、長期的な視点で見れば、自社の文化を理解し、復職後に力を発揮してくれる中核人材としての貢献度は非常に大きなものになります。「入社時の数ヶ月」だけでなく、長い目で仲間を迎える視点がお互いの安心感につながります。 リスクと希望をオープンにする「面接での対話ステップ」 プライバシーに過度に踏み込まず、それでいてお互いの不安を解消するためのコミュニケーションのステップです。 ステップ①:企業側から「両立を歓迎するスタンス」を先に示す 「当社では、ライフイベントがあっても長く活躍してほしいと考えています」という姿勢や、実際の復職事例、柔軟な働き方の選択肢を、会社側の情報としてオープンに伝えます。これにより、応募者は「この会社なら本音を話しても大丈夫かもしれない」と心理的ハードルを下げることができます。 ステップ②:「もしもの時」のキャリアイメージを一緒に描く 「いつ妊娠の予定がありますか?」と尋ねるのではなく、「もし将来的にライフステージの変化があった場合、どんなペースでキャリアを築いていきたいと考えていますか?」と、本人の意思や希望を主体的に聴き出す対話を行います。 ステップ③:現場のフォロー体制をオープンに共有する 「急な休みや体制変更があっても、チームでカバーできるようにマニュアル化を進めている」など、現場の現状を率直に共有します。 企業側の現実的な受け入れ態勢を伝えることで、応募者側も過度な申し訳なさを感じずに済みます。...

妊娠しても退職しない選択。 後悔しないための復帰プランニング術

妊娠しても退職しない選択。 後悔しないための復帰プランニング術

📝EggUライター/ライフコーチ  みーやん   妊娠がわかり、「退職せずに産休・育休を取得して復帰する」と決めた。制度についてもひと通り調べ、手続きも済ませた。 ――では、実際にどのように復帰するのでしょうか。 この「復帰までに何を準備しておくか」という部分は、意外と見落とされがちなポイントだと感じています。制度についてはこれまでの他のコラムでも詳しく紹介してきましたので、今回は少し視点を変えて、復帰までに、自分の中で・家族の中で、何を話し合っておくとよいか」というプランニングについてお伝えしたいと思います。 私自身、最近二人目を出産し、久しぶりに仕事へ復帰しました。5歳になる娘のときの復帰と比べて、かなり勝手が違い、戸惑うことも多くありました。今回はその実体験も交えながら一緒に考えていきたいと思います。 1. まずは、自分の気持ちに向き合ってみる 制度面の準備の前に、実はここが一番大切だと感じています。「自分は本当はどうしたいのか」を、あらためて自分自身に問いかけてみることです。 子どもとの時間、どのくらい必要か 一人目のときは、「育休はあらかじめ決められた期間のもの」というくらいの認識しかありませんでした。しかし二人目を迎えて改めて感じたのは、育休中は子どもと100%向き合える、人生の中でも非常に貴重な期間だということです。 いざ保育園に預ける段階になり、「まだもう少し一緒にいたい」という気持ちが急にわいてきたことがありました。一人目のときにはなかった感覚で、自分自身でも意外に感じました。結果として、当初想定していたよりも復帰時期を少し延ばすという選択をしました。 こうした気持ちの変化は、決して珍しいことではなく、むしろ自然な感情だと思います。だからこそ、「〇カ月で復帰する」とあらかじめ決めすぎず、その時々の自分の気持ちを確認しながら、時期を柔軟に見直してよいということをお伝えしたいです。 復帰のベストなタイミングとは こちらも、唯一の正解があるわけではありません。 保育園の入りやすさ(4月入園を狙うか、空きが出たタイミングで動くか) 育休給付金の延長条件(1歳、1歳半など) ご自身の体力・メンタル面の回復具合 職場のプロジェクトの区切り こうした要素を並べてみると、「絶対にこのタイミング」という正解はなく、どこに優先順位を置くかという話になってきます。私の場合は、「保育園の空き状況」と「自分の気持ちの整理」を優先し、やや遅めのタイミングを選びました。 母乳育児をいつまで続けたいか これも母乳育児をしている人にとっては意外と大きなテーマです。復帰後も母乳育児を続けたいのか、それとも粉ミルクフォーミラーへ切り替えるのか。続ける場合には、 職場に搾乳できる環境があるか(搾乳室、冷蔵庫の有無など) 搾乳の時間をどのように業務スケジュールへ組み込むか 保育園への搾乳母乳の持参ルール 哺乳瓶への移行の時期はどうするか といった点を、復帰前にある程度調べておくと安心です。「復帰すれば自然と授乳の頻度も落ち着くだろう」と考えていても、想像以上に子どもも自分も授乳に対する思い入れが強い場合もあります。授乳をどうしたいかは、早めにご自身の中で言語化しておくことをおすすめします。 2. 復帰後の働き方を、具体的にイメージできているか 気持ちの整理と同じくらい重要なのが、「実際に復帰後どのように働くか」という具体的なすり合わせです。私自身、今回はこの部分でかなりつまずきました。...

妊娠しても退職しない選択。 後悔しないための復帰プランニング術

📝EggUライター/ライフコーチ  みーやん   妊娠がわかり、「退職せずに産休・育休を取得して復帰する」と決めた。制度についてもひと通り調べ、手続きも済ませた。 ――では、実際にどのように復帰するのでしょうか。 この「復帰までに何を準備しておくか」という部分は、意外と見落とされがちなポイントだと感じています。制度についてはこれまでの他のコラムでも詳しく紹介してきましたので、今回は少し視点を変えて、復帰までに、自分の中で・家族の中で、何を話し合っておくとよいか」というプランニングについてお伝えしたいと思います。 私自身、最近二人目を出産し、久しぶりに仕事へ復帰しました。5歳になる娘のときの復帰と比べて、かなり勝手が違い、戸惑うことも多くありました。今回はその実体験も交えながら一緒に考えていきたいと思います。 1. まずは、自分の気持ちに向き合ってみる 制度面の準備の前に、実はここが一番大切だと感じています。「自分は本当はどうしたいのか」を、あらためて自分自身に問いかけてみることです。 子どもとの時間、どのくらい必要か 一人目のときは、「育休はあらかじめ決められた期間のもの」というくらいの認識しかありませんでした。しかし二人目を迎えて改めて感じたのは、育休中は子どもと100%向き合える、人生の中でも非常に貴重な期間だということです。 いざ保育園に預ける段階になり、「まだもう少し一緒にいたい」という気持ちが急にわいてきたことがありました。一人目のときにはなかった感覚で、自分自身でも意外に感じました。結果として、当初想定していたよりも復帰時期を少し延ばすという選択をしました。 こうした気持ちの変化は、決して珍しいことではなく、むしろ自然な感情だと思います。だからこそ、「〇カ月で復帰する」とあらかじめ決めすぎず、その時々の自分の気持ちを確認しながら、時期を柔軟に見直してよいということをお伝えしたいです。 復帰のベストなタイミングとは こちらも、唯一の正解があるわけではありません。 保育園の入りやすさ(4月入園を狙うか、空きが出たタイミングで動くか) 育休給付金の延長条件(1歳、1歳半など) ご自身の体力・メンタル面の回復具合 職場のプロジェクトの区切り こうした要素を並べてみると、「絶対にこのタイミング」という正解はなく、どこに優先順位を置くかという話になってきます。私の場合は、「保育園の空き状況」と「自分の気持ちの整理」を優先し、やや遅めのタイミングを選びました。 母乳育児をいつまで続けたいか これも母乳育児をしている人にとっては意外と大きなテーマです。復帰後も母乳育児を続けたいのか、それとも粉ミルクフォーミラーへ切り替えるのか。続ける場合には、 職場に搾乳できる環境があるか(搾乳室、冷蔵庫の有無など) 搾乳の時間をどのように業務スケジュールへ組み込むか 保育園への搾乳母乳の持参ルール 哺乳瓶への移行の時期はどうするか といった点を、復帰前にある程度調べておくと安心です。「復帰すれば自然と授乳の頻度も落ち着くだろう」と考えていても、想像以上に子どもも自分も授乳に対する思い入れが強い場合もあります。授乳をどうしたいかは、早めにご自身の中で言語化しておくことをおすすめします。 2. 復帰後の働き方を、具体的にイメージできているか 気持ちの整理と同じくらい重要なのが、「実際に復帰後どのように働くか」という具体的なすり合わせです。私自身、今回はこの部分でかなりつまずきました。...

「妊娠を機に退職」の相談を受けたら。管理職として知っておきたい、本音に寄り添う対話のヒント 〜「引き止めるか、受け入れるか」の前に。社員の不安と現場のリアルをつなぐコミュニケーション〜

「妊娠を機に退職」の相談を受けたら。管理職として知っておきたい、本音に寄り添う対話のヒント 〜...

チームで頼りにしているメンバーから、「実は妊娠しまして、退職を考えています」と相談されたとき、管理職としてどのように言葉を返すべきか迷った経験はないでしょうか。 「体を最優先にしてほしいけれど、できればこれからも一緒に働きたい」 「でも、無理に引き止めるのは本人の負担になってしまうのではないか」 相手を大切に想い、同時にチームのマネジメントにも責任を持っているからこそ、こうした葛藤が生まれるのはとても自然なことです。 今回は、「妊娠・働く・退職」という岐路に立つ部下から相談を受けた際、管理職としてどのように向き合い、双方にとって納得感のある対話を進めていけばよいかを考えます。 なぜ「働き続ける」ではなく「退社」を選ぼうとするのか? 退職を切り出す社員の多くは、「仕事を嫌いになった」わけではなく、いくつかの不安が重なってその結論に至ることがあります。 ・体調の波と「迷惑をかけたくない」という申し訳なさ  つわりや急な体調変化で思うように動けない日が続くと、「周囲にシワ寄せがいってしまう」と自分を責めてしまい、責任感の強さから「これ以上迷惑をかける前に辞めよう」と考えてしまうケースがあります。 ・産後・復職後のイメージが持てない不安  「育児をしながらこれまでの業務量をこなせるだろうか」「子どもの急病で休むことが増えたら、どう評価されるのだろう」といった、少し先の未来に対する見通しが立たないことも大きな要因です。 退職の相談を受けたとき、大切にしたい3つの視点 すぐに退職届の手続きを進めたり、逆に強く引き止めたりする前に、まずは以下のような視点を持つと、お互いに落ち着いて話ができるようになります。 視点①:まずはお祝いと、日頃の貢献への感謝を伝える  現場の業務調整が頭をよぎる瞬間ではありますが、まずは「おめでとう」という祝福と「これまで頑張ってくれてありがとう」という感謝を言葉にします。これだけで、緊張していた部下の肩の力がふっと抜けます。 視点②:「前向きな決断」か「不安からの消去法」かを聴く  「家庭や子育てに専念したいという本人の前向きな希望」なのか、それとも「周囲に迷惑をかけるのが怖くて辞めるしかないと思っているのか」を、急かさずにヒアリングします。 視点③:「辞める/フルタイム」以外の選択肢を共有する  もし不安からの消去法であれば、休職や時短勤務、一時的な業務内容の変更、リモートワークなど、柔軟な選択肢があることを「一つの情報」として伝えてみます。 現場マネジメントと両立させる「対話と体制づくり」 管理職の方が一人で抱え込まず、仕組みとしてチーム全体で対応していくことが大切です。 企業内で様々な連携をとっていきましょう。 人事や専門窓口と連携する  利用できる制度や過去の復職事例などについて、人事や労務担当者と情報を共有しながら、会社全体でどんなサポートができるかを確認します。 業務の共有・引き継ぎを前倒しで進める  体調の変化や急なお休みに備え、その人しか分からない業務をチーム内でシェアしていきます。業務の「見える化」を進めることは、結果としてチーム全体の属人化解消にもつながります。 一度の面談で結論を急がない  妊娠期間中は、体調や心情が時期によって大きく変化します。「今日すべてを決めなくても大丈夫。体調を見ながら、また来月ゆっくり話そう」と、長期的なスパンで見守る姿勢が部下の安心感を生みます。 一人ひとりの選択を尊重し合える組織へ 対話を重ねた結果、本人が前向きに「退職」を選ぶ場合も、制度を活用して「継続」を選ぶ場合も、どちらが正解ということはありません。...

「妊娠を機に退職」の相談を受けたら。管理職として知っておきたい、本音に寄り添う対話のヒント 〜...

チームで頼りにしているメンバーから、「実は妊娠しまして、退職を考えています」と相談されたとき、管理職としてどのように言葉を返すべきか迷った経験はないでしょうか。 「体を最優先にしてほしいけれど、できればこれからも一緒に働きたい」 「でも、無理に引き止めるのは本人の負担になってしまうのではないか」 相手を大切に想い、同時にチームのマネジメントにも責任を持っているからこそ、こうした葛藤が生まれるのはとても自然なことです。 今回は、「妊娠・働く・退職」という岐路に立つ部下から相談を受けた際、管理職としてどのように向き合い、双方にとって納得感のある対話を進めていけばよいかを考えます。 なぜ「働き続ける」ではなく「退社」を選ぼうとするのか? 退職を切り出す社員の多くは、「仕事を嫌いになった」わけではなく、いくつかの不安が重なってその結論に至ることがあります。 ・体調の波と「迷惑をかけたくない」という申し訳なさ  つわりや急な体調変化で思うように動けない日が続くと、「周囲にシワ寄せがいってしまう」と自分を責めてしまい、責任感の強さから「これ以上迷惑をかける前に辞めよう」と考えてしまうケースがあります。 ・産後・復職後のイメージが持てない不安  「育児をしながらこれまでの業務量をこなせるだろうか」「子どもの急病で休むことが増えたら、どう評価されるのだろう」といった、少し先の未来に対する見通しが立たないことも大きな要因です。 退職の相談を受けたとき、大切にしたい3つの視点 すぐに退職届の手続きを進めたり、逆に強く引き止めたりする前に、まずは以下のような視点を持つと、お互いに落ち着いて話ができるようになります。 視点①:まずはお祝いと、日頃の貢献への感謝を伝える  現場の業務調整が頭をよぎる瞬間ではありますが、まずは「おめでとう」という祝福と「これまで頑張ってくれてありがとう」という感謝を言葉にします。これだけで、緊張していた部下の肩の力がふっと抜けます。 視点②:「前向きな決断」か「不安からの消去法」かを聴く  「家庭や子育てに専念したいという本人の前向きな希望」なのか、それとも「周囲に迷惑をかけるのが怖くて辞めるしかないと思っているのか」を、急かさずにヒアリングします。 視点③:「辞める/フルタイム」以外の選択肢を共有する  もし不安からの消去法であれば、休職や時短勤務、一時的な業務内容の変更、リモートワークなど、柔軟な選択肢があることを「一つの情報」として伝えてみます。 現場マネジメントと両立させる「対話と体制づくり」 管理職の方が一人で抱え込まず、仕組みとしてチーム全体で対応していくことが大切です。 企業内で様々な連携をとっていきましょう。 人事や専門窓口と連携する  利用できる制度や過去の復職事例などについて、人事や労務担当者と情報を共有しながら、会社全体でどんなサポートができるかを確認します。 業務の共有・引き継ぎを前倒しで進める  体調の変化や急なお休みに備え、その人しか分からない業務をチーム内でシェアしていきます。業務の「見える化」を進めることは、結果としてチーム全体の属人化解消にもつながります。 一度の面談で結論を急がない  妊娠期間中は、体調や心情が時期によって大きく変化します。「今日すべてを決めなくても大丈夫。体調を見ながら、また来月ゆっくり話そう」と、長期的なスパンで見守る姿勢が部下の安心感を生みます。 一人ひとりの選択を尊重し合える組織へ 対話を重ねた結果、本人が前向きに「退職」を選ぶ場合も、制度を活用して「継続」を選ぶ場合も、どちらが正解ということはありません。...

「キャリアも、妊娠・出産も」諦めない。不安を"知る力"に変える3つのヒント

「キャリアも、妊娠・出産も」諦めない。不安を"知る力"に変える3つのヒント

📝ライター EggUカウンセラー みーやん  「キャリアも、妊娠出産も諦めたくない」——その悩み、あなただけじゃない 子どもを意識し始めたとき、頭の中にはどんな葛藤が生まれますか? 「キャリアは続けられるのかな?」 「仕事復帰したあと、どんな生活になるんだろう……」 「夫は私と同じくらい、子育てや家事に向き合ってくれるんだろうか?」 こんな悩みが浮かぶ人も多いのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。 妊娠、出産を経て、子育てをしながら働いている今。先を行く"働くママ"として女子会をしていると、オーストラリア在住の私のもとにも、こうした悩みが届きます。EggUを購入してくださったユーザーさんとのカウンセリングでも、よく出てくるトピックのひとつです。 こう考えると、この悩みは世界共通で、多くの女性が抱える葛藤なのだと思います。 ママギルトはどこから来る?見えない義務感の正体  ステレオタイプな考え方かもしれませんが、「子育てや家事は女性の仕事」「男性は外で働く」という役割分担は、今も根強く残っています。「そんなの時代錯誤だ」と思っている人でも、無意識のうちにそう行動してしまうことは、よくあるのではないでしょうか。 「妊娠しても、出産してもキャリアは続けたい」「キャリアアップだってしていきたい」—・・・そう思いながらも、いざ産後の職場復帰を考えると、"仕事も子どもも、どちらも中途半端になっている気がする"という罪悪感、いわゆる「ママギルト」を感じたり、「母親なんだから家のことも子どものことも当然」と、すべてを一人で抱え込んでしまう人も少なくないと思います。 この「母親なんだから当然」という感覚、いわば "義務感" は、どこから来るのでしょうか。 子どもを守り、育みたいという気持ちには、実は生物学的な土台があると言われています。妊娠・出産期に分泌されるオキシトシンというホルモンが、母親の子どもへの愛着形成に深く関わることが知られているためです。※1 ただし、これは「子を大切に思う気持ち」の話であって、「家事も育児もすべて一人でこなすべき」という義務感そのもの話ではありません。その感覚の多くは、社会の中で作られてきた役割分担が、後天的に私たちに刷り込まれたものだと考えられます。 だからこそ、妊娠・出産を考える世代が「その義務を果たせない・果たしたくない・果たしたいのか分からない」という状態にいると、「これでいいのかな」という違和感や罪悪感を覚えてしまうのかもしれませんね。 大切なのは、自分の"本当の望み"をクリアにすること でも、生き方や考え方はさまざまあっていい。私はそう信じています。 ただ、自分が本当は何を望んでいるのか、どう生きたいのか、自分の人生でどんな役割を果たしていきたいのかをクリアにしていくことは、とても大切だと思います。特に妊娠・出産に関しては、年齢によってからだの状態が変化していくからこそ、なおさらです。  子どもを産み育てたいと思っているのに、先の不安から一歩踏み出せずにいるなら、そこを深掘りする価値は大いにあります。ここからは、そんなときに試してほしい行動のヒントをいくつかご紹介します。 ヒント1:「不安の正体」を具体的に見てみる 妊娠中の不安には——専門家と先輩ママの声を聞く 妊娠中に起こりうるさまざまな変化に、仕事をしながら対応できるか不安なら、妊活を始める前に、どんなサポートが得られるのかを調べておきましょう。職場で働くママたちがどんな経験をして、何が助けになったのかを、信頼できる先輩や上司に聞いてみるのもおすすめです。 また、妊娠に関することや、自分が妊娠に向けてどんな準備を必要としているのかを、専門家に相談してみるのも良いと思います。 妊活の不安、妊娠中の不安、出産の不安、産後の不安——不安の中身はステージによってさまざまです。分からないことや予測できないことは、不安につながります。ただ漠然と不安を抱えるのではなく、その解消法・対処法も含めて正しい知識を得ることは、私たちにできることのひとつです。 ヒント2:会社と自治体の「産後サポート」を調べる 自分の会社の福利厚生や、国・自治体から得られるサポートを調べるのは基本のキ。それに加えて、パートナーの会社の福利厚生を調べることも、同じくらい大切です。 男性側の育休についての情報や、病児休暇が実際どのくらい使われているかなど、夫婦それぞれの会社からどんなサポートが得られるのか、会社としてそれを受け入れる体制があるのかどうかを調べておきましょう。...

「キャリアも、妊娠・出産も」諦めない。不安を"知る力"に変える3つのヒント

📝ライター EggUカウンセラー みーやん  「キャリアも、妊娠出産も諦めたくない」——その悩み、あなただけじゃない 子どもを意識し始めたとき、頭の中にはどんな葛藤が生まれますか? 「キャリアは続けられるのかな?」 「仕事復帰したあと、どんな生活になるんだろう……」 「夫は私と同じくらい、子育てや家事に向き合ってくれるんだろうか?」 こんな悩みが浮かぶ人も多いのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。 妊娠、出産を経て、子育てをしながら働いている今。先を行く"働くママ"として女子会をしていると、オーストラリア在住の私のもとにも、こうした悩みが届きます。EggUを購入してくださったユーザーさんとのカウンセリングでも、よく出てくるトピックのひとつです。 こう考えると、この悩みは世界共通で、多くの女性が抱える葛藤なのだと思います。 ママギルトはどこから来る?見えない義務感の正体  ステレオタイプな考え方かもしれませんが、「子育てや家事は女性の仕事」「男性は外で働く」という役割分担は、今も根強く残っています。「そんなの時代錯誤だ」と思っている人でも、無意識のうちにそう行動してしまうことは、よくあるのではないでしょうか。 「妊娠しても、出産してもキャリアは続けたい」「キャリアアップだってしていきたい」—・・・そう思いながらも、いざ産後の職場復帰を考えると、"仕事も子どもも、どちらも中途半端になっている気がする"という罪悪感、いわゆる「ママギルト」を感じたり、「母親なんだから家のことも子どものことも当然」と、すべてを一人で抱え込んでしまう人も少なくないと思います。 この「母親なんだから当然」という感覚、いわば "義務感" は、どこから来るのでしょうか。 子どもを守り、育みたいという気持ちには、実は生物学的な土台があると言われています。妊娠・出産期に分泌されるオキシトシンというホルモンが、母親の子どもへの愛着形成に深く関わることが知られているためです。※1 ただし、これは「子を大切に思う気持ち」の話であって、「家事も育児もすべて一人でこなすべき」という義務感そのもの話ではありません。その感覚の多くは、社会の中で作られてきた役割分担が、後天的に私たちに刷り込まれたものだと考えられます。 だからこそ、妊娠・出産を考える世代が「その義務を果たせない・果たしたくない・果たしたいのか分からない」という状態にいると、「これでいいのかな」という違和感や罪悪感を覚えてしまうのかもしれませんね。 大切なのは、自分の"本当の望み"をクリアにすること でも、生き方や考え方はさまざまあっていい。私はそう信じています。 ただ、自分が本当は何を望んでいるのか、どう生きたいのか、自分の人生でどんな役割を果たしていきたいのかをクリアにしていくことは、とても大切だと思います。特に妊娠・出産に関しては、年齢によってからだの状態が変化していくからこそ、なおさらです。  子どもを産み育てたいと思っているのに、先の不安から一歩踏み出せずにいるなら、そこを深掘りする価値は大いにあります。ここからは、そんなときに試してほしい行動のヒントをいくつかご紹介します。 ヒント1:「不安の正体」を具体的に見てみる 妊娠中の不安には——専門家と先輩ママの声を聞く 妊娠中に起こりうるさまざまな変化に、仕事をしながら対応できるか不安なら、妊活を始める前に、どんなサポートが得られるのかを調べておきましょう。職場で働くママたちがどんな経験をして、何が助けになったのかを、信頼できる先輩や上司に聞いてみるのもおすすめです。 また、妊娠に関することや、自分が妊娠に向けてどんな準備を必要としているのかを、専門家に相談してみるのも良いと思います。 妊活の不安、妊娠中の不安、出産の不安、産後の不安——不安の中身はステージによってさまざまです。分からないことや予測できないことは、不安につながります。ただ漠然と不安を抱えるのではなく、その解消法・対処法も含めて正しい知識を得ることは、私たちにできることのひとつです。 ヒント2:会社と自治体の「産後サポート」を調べる 自分の会社の福利厚生や、国・自治体から得られるサポートを調べるのは基本のキ。それに加えて、パートナーの会社の福利厚生を調べることも、同じくらい大切です。 男性側の育休についての情報や、病児休暇が実際どのくらい使われているかなど、夫婦それぞれの会社からどんなサポートが得られるのか、会社としてそれを受け入れる体制があるのかどうかを調べておきましょう。...