~アラフォーで選んだ「わたしらしい」不妊治療の道、そして思いがけない展開~
🌿Inside EggU🌿EggUのメンバーの経験・想いや大切にしていることを語るコラム
📝ライター EggUカウンセラー みーやん
EggUのカウンセラーとして多くの女性の人生に寄り添いながら、今まさに自分自身も妊娠・出産に関する新たな局面を迎えています。
私が皆さんにお伝えしたいのは、完璧な成功談ではなく、等身大のストーリー。特に海外で不妊治療をしながら子育てと仕事を両立する中で感じた葛藤や決断の過程、そして思いがけない展開を、包み隠さずシェアしていきたいと思います。
自分らしく生きた20代・30代、そして訪れた「妊活」という現実
私の20代と30代前半は、自分の可能性を信じて走り続けた日々でした。キャリアアップ、留学、ワーホリ、海外大学進学、旅行…。オーストラリアで看護師として働きつつ、「いつか子どもは欲しい」と漠然と思いながらも、まずは自分のやりたいことを思う存分楽しみました。
気がつけば結婚は30代後半。第一子を妊娠したのが36歳、出産は37歳でした。自分のこれまでの選択に後悔はありません。でも、年齢とともに身体が発するサインは無視できないものになっていきました。
現代は晩婚化が進み、私のように30代後半で初産を迎える女性も珍しくなくなってきています。しかし「二人目」となると、また新たな壁が立ちはだかります。私はまさにその壁と向き合うことになったのです。
「まさか私が」から始まった不妊治療の道
正直に告白します。EggUに携わる前の私は「不妊治療=何らかの婦人科系の問題がある人がするもの」と、どこかで思っていた所があったと思います。
私は、生理不順になったことはなく、生理痛やPMSに悩まされることもほとんどありませんでした。婦人科系の病気とも無縁。だから「子どもを作ろうと思えばすぐできるはず」と、どこかで思い込んでいたのです。
もちろん、年齢が妊娠・出産に大きく影響することは頭では理解していました。でも「まさか私が…」という油断があったことは否めません。
36歳で娘を自然妊娠したときも、実は約1年の妊活期間がありました。それでも、20代・30代で自分のやりたいことをやり遂げ、オーストラリアでキャリアも築いた後だったからこそ、「やり切った」という充実感の中で迎えた出産でした。
二人目妊活から不妊治療へ―現実との向き合い方
娘が1歳になったころ、二人目の妊活を開始しました。すでに38歳だった私は、「6ヶ月妊活してできなかったら次のステップに行く」という自分なりのロードマップを描いていました。
米国生殖医学会(ASRM)の定義によると
「¹ 不妊症と定義できるのは1年間の不妊期間を持つものであるが、女性の年齢が35歳以上の場合には6ヶ月の不妊期間が経過したあとは検査を開始することは認められる」
とされていることを知っていたので、二人目の妊活を始めて6ヶ月が経過した時点で、私は自分側の検査をどんどん進めていきました。しかしこの過程は決して簡単なものではありませんでした。特にパートナーと足並みを揃えることの難しさは、多くの方が経験されているのではないでしょうか。
結局、妊活を始めてから2年後、娘が3歳になる直前にようやくオーストラリアで本格的な不妊治療をスタートすることができました。2回の体外受精を経験したものの、残念ながら妊娠には至りませんでした。そして3回目のサイクルに挑戦しようとしていた矢先に、思いがけない展開が訪れたのです。
「期限」を自分で決めた理由―心の整理とこれからの選択
不妊治療の世界には、「8年目です」「10サイクル目です」「何度も流産を経験しています」という長期戦を強いられている方がたくさんいらっしゃいます。
そんな現実を目の当たりにして、私は自問自答しました。
「私はどうしたいのだろう?」
「年単位で不妊治療を続けるのか?」
「何をゴールとするのか?」
「辞め時はいつなのだろうか?」
不妊治療を続けることでパートナーシップに生じる歪み、一人目の子どもの母親としての自分との向き合い方、そして何より自分自身の心と身体の限界について考えた末に出した結論が、「期限を決める」ということでした。
私の場合は「41歳の誕生日までは不妊治療に集中する」と決めました。つまり、その期限を過ぎても子どもを授からなかったら「二人の子どもを持つ」という夢をあきらめるということです。
思いがけない展開―不妊治療の最中の自然妊娠
ところが人生には予想外の展開があるものです。3回目の対外受精を始めようとしていたその時、私は自然妊娠していたことが判明したのです。
待望の第二子を授かることができた喜びは言葉では言い表せません。でも同時に、40歳を超えての妊娠であるため、さまざまなリスクも頭をよぎります。医学的な知識を持つEggUのカウンセラーとしての私は、高齢妊娠のリスクも熟知していたからこそ、妊娠初期から中期にかけては複雑な心境でした。
喜びと不安が交錯する日々。検診のたびに安堵と緊張を繰り返しながら、今日まで過ごしてきました。現在も、いくつかの妊娠トラブルを抱えながらも、何とか予定日まで持ちこたえたいと願う日々を送っています。
こんな私の経験は、まさに「計画通りにいかないのが人生」ということを物語っています。不妊治療という選択をし、そして期限を決め、覚悟を決めた先に訪れた思いがけない妊娠。
心強い味方を見つけた―専門家のサポートの大切さ
不妊治療の道のりで私が学んだ大切なことの一つが、一人で抱え込まないことの重要性です。海外で治療を受ける場合でなくとも、成果が保証されていないことであり、センシティブな領域であることから、不安や孤独感はより一層強くなるのではないでしょうか。
そんな中で心の支えとなったのが、EggUの妊活/不妊サポートでした。私自身がEggUのカウンセラーとして活動する一方で、自分が不妊治療を始めた時から妊娠に至るまで、このサービスを利用者として体験し、その価値を実感しました。不妊治療はなかなか周りの人に打ち明けられないもの。治療のスケジュール管理や漠然とした不安を聞いてもらえる場として、私にとって本当に貴重な存在でした。
特に高齢妊娠となった今回は、喜びと同時に複雑な心境が入り混じり、多くの人に気持ちを打ち明けることができませんでした。そんな時、専門知識を持ち、信頼できる不妊カウンセラー・助産師に相談できたことは、計り知れない心の支えになりました。
私たち女性が抱える妊活や不妊治療の悩みは、医学的なことだけではありません。パートナーとの関係、仕事との両立、将来への不安など、多岐にわたります。そのすべてを包括的に理解し、寄り添ってくれる専門家の存在は、この長い道のりを歩む上で、かけがえのない光となるのです。是非気になるかたは、こちらのリンクから詳細をご覧ください。
最後に―同じ悩みを持つ方へ
私の経験から皆さんにお伝えしたいのは、「自分なりのペースで進むことの大切さ」です。不妊治療に挑むにしても、諦めるにしても、そして思いがけない展開を受け入れるにしても、自分自身を責めることなく、自分の心と体の声に耳を傾けることが何より大切です。
人生の計画はいつも予定通りにはいきません。それでも、その時々の自分にできる最善の選択をしてきたことに誇りを持ちたいと思います。
40歳を超えての妊娠・出産に不安を感じている方、不妊治療の道のりに疲れを感じている方、そして「いつまで続けるべきか」と悩んでいる方に、この経験が少しでも寄り添えるものになれば幸いです。
EggUのカウンセラーとして多くの女性のお話を聞く中で、誰もが自分らしい選択をする権利があること、そしてどんな選択も尊重されるべきだと強く感じています。そして何より、人生には常に「思いがけない贈り物」の可能性が秘められていることを忘れないでいたいですね。
みなさんの「自分らしい」選択と、時には思いがけない幸運が訪れることを、心から応援しています。
※このコラムは私個人の経験に基づいて書かれたものです。妊娠・出産・不妊治療は人それぞれ異なる経験をするものですので、あなたに合った選択をするためにも、専門家への相談をお勧めします。
¹ 米国生殖医学会(ASRM)ウェブサイト「不妊の定義」より。2025年4月23日閲覧。
📝ライター EggUカウンセラー みーやん
オーストラリアでも看護資格を取得後、30代後半で結婚、妊活、不妊、妊娠、出産を経験しキャリアとライフプランで悩む経験をした一人である。現在は看護師として働きながらEggUカウンセラーやキャリア・ライフコーチとしても活動中。