ライフステージのすべてに寄り添う助産師として。更年期を生きる女性へ

ライフステージのすべてに寄り添う助産師として。更年期を生きる女性へ

📝ライター EggUカウンセラー りよ

更年期サポートを始めたきっかけ

看護師・助産師として働いてきた中で、たくさんの女性たちの「節目の時間」に立ち会ってきました。
妊娠、出産、子育て――その一つひとつの過程のなかで、喜びとともに悩みや葛藤を抱える姿を見てきました。

けれど、ある時気づいたのです。出産や育児を経た後、人生の後半に向かう「更年期」という時期には、誰にも相談できずに静かに不調を抱えている女性がとても多いということに。そして、その時期が現代人の人生の中で、意外なほど長い時間を占めているということにも。

明治時代、成人女性の平均寿命はおよそ50歳でした。
当時は、更年期を迎える前に生涯を終える人も多く、「更年期の不調」という概念自体が今ほど顕著ではありませんでした。
しかし現代では、女性の平均寿命は約87歳にまで延びています。
つまり、人生100年時代の今、私たちは「更年期」という時期を長く過ごすようになり、心身の変化と向き合う時間がより明確に存在するようになったのです。

妊娠・出産を支える専門職である助産師ですが、実は女性の一生を通して健康を支える専門職でもあります。
女性のライフステージは、思春期、妊娠・出産期、更年期と大きく変化し、その都度ホルモンバランスが揺れ動きます。なかでも更年期はまさにその転換点であり、この時期をどう過ごすかが、その後の10年、20年の人生を左右するといっても過言ではありません

そんな思いから、私は「更年期指導士」の資格を取得しました。
女性が「閉ざす」のではなく、「開く」人生を歩めるように。
からだの仕組みを知り、心と向き合い、自分を取り戻していくお手伝いをしたい――。
それが私が更年期サポートを始めたきっかけです。

EggUとの出会いと参加の理由

EggUに出会ったとき、まさに「これからの女性支援の形」だと感じました。
女性の人生は、かつてよりもずっと長くなりました。平均寿命が90歳近くにまで伸びた現代では、50代・60代で迎える更年期は、もはや「終わりの時期」ではなく「次の人生のスタート地点」です。

しかしその一方で、社会の仕組みや働き方はまだ十分に追いついていません。
年齢的にも、昇進や子育ての一区切りを迎え、「これからが頑張りどき」と思った矢先に体の不調が訪れる――。
家庭でも職場でも「頑張り続けること」を求められ、気づけば心も体も疲れ切ってしまっている女性が多くいます。

そんな時に、「病院に行くほどではないけれど、誰かに相談したい」「このモヤモヤを聞いてほしい」と思う気持ちは、誰にでもあるのではないでしょうか。(更年期について相談いただける助産師とのカウンセリングはこちらでご利用いただけます)
EggUのように、自分の思いを専門職に安心して相談できるシステムは、まさに今の時代に必要な仕組みだと感じました。

更年期は、「自分をリセットし、再スタートを切るための時間」。
EggUでの出会いや学びを通して、私はますます「女性たちが自分の人生を誇りをもって歩めるように」という思いを強くしました。

助産師として、いま伝えたいこと

更年期は、決して“つらい時期”だけではありません。
体の変化に戸惑うこともありますが、その一方で「これからの自分をどう生きるか」を見つめ直す、大切なチャンスでもあります。

女性ホルモンの揺らぎによって、心身のバランスが崩れやすくなるこの時期。
でもそれは、からだが「次のステージに向かう準備をしている」サインでもあります。
自然の流れを受け入れながら、生活を整え、自分をいたわる。
その積み重ねが、これからの人生を軽やかに、そして豊かにしてくれます。

私が助産師として伝えたいのは、「更年期を“乗り越える”ではなく、“味わう”」という視点です。
焦らず、比べず、自分のリズムで整えていくこと。
からだの声を聞く力、自分を労わる力を取り戻すこと。
それこそが、この時代を健やかに生き抜くための大切な鍵だと感じています。

助産師は、命のはじまりを支えるだけでなく、女性の人生に“寄り添い続ける”存在でありたい。
妊娠・出産・育児・そして更年期――そのすべてが「ひとりの女性の物語」であり、どの時期も尊く、かけがえのない時間です。

女性が自分を大切にできる社会は、きっと誰にとってもやさしい社会。
EggUを通して、同じ想いをもつ仲間たちとつながりながら、
これからも「女性が自分らしく生きる力」を育む活動を続けていきたいと思います。

📝ライター EggUカウンセラー りよ プロフィールはこちら

看護師として急性期医療などを経験した後、産婦人科病棟の立ち上げをきっかけに助産師の道へ。周産期センターやクリニックで経験を重ねる中で、妊娠・出産後のサポート不足を感じ助産院を開設。出産後の体の不調が更年期までに及んでいることを知り、また自身の月経やPMSの経験から全女性の伴走者になりたいと、月経や更年期の学びを深める。正しい知識とそれぞれのライフスタイルや体調に合わせた対話でEggU利用者の人生の選択を支えていきたいと思っている。 

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