「知らなかった」から「伝えたい」へ

「知らなかった」から「伝えたい」へ

📝ライター EggUカウンセラー さき

こんにちは!私はこれからイギリスの大学院で公衆衛生学を専攻し、妊娠・出産にまつわる課題について研究をする予定です。これまでは助産師として病院、保健センターで勤務してきました。今回はこれまでの私の歩みやEggUカウンセラーとしての思いをお話させていただきます。

社会に対する違和感の中で出会ったプレコンセプションケア

私が”プレコンセプションケア”という言葉に出会ったのは、助産師になるために大学院で学んでいたときのことでした。

今でこそEggUカウンセラーとして女性のライフやキャリアプラン設計をサポートさせていただく立場になりましたが、当時の私は自分のライフプランさえも真剣に考えたことがありませんでした。「いつか子どもは欲しいなぁ」という漠然とした希望はあったものの、30代前半まではキャリアも含め自分のやりたいことを追求し、それが一段落してから妊娠・出産を考えれば良いと考えていました。というのも、ちょうど不妊治療の保険適用が開始された時期だったこともあり、いざとなれば医療技術の恩恵にあずかれば良いと考えていたからです。

しかし、助産学の授業で突き付けられた現実は厳しいものでした。不妊治療は妊娠を保証するものではなく、仮に不妊治療で妊娠できたとしても、高齢妊娠では流産率が上がるため妊娠の継続が難しくなり、さらに出産時の医学的なリスクも高まります。卵子凍結や不妊治療が「夢の技術」ではないことを知り、私は自分のライフプランを考え直すとともに、そんな重大な事実をなぜ今まで誰も教えてくれなかったのだろうかと強い憤りを感じました。

女性も男性と同じように社会に出て働ける時代だと言われますが、実際は男女の身体の仕組みが違うために、女性はキャリアを積む上で妊娠・出産の生物学的なタイムリミットを意識せざるを得ません。欧米諸国に比べ性教育の普及が遅れている日本では、妊娠・出産についての知識はまだまだ”調べないと出てこない”情報です。「女性の社会進出を推進するのであれば、男女ともに妊娠・出産に関する正しい知識を身に付けたりライフプランについて考えたりする機会がもっと必要なのではないか…?」社会に対するそのような違和感をずっと抱えていました。そんなとき、プレコンセプションケアという言葉に出会い、これこそ今の時代に求められる妊娠・出産の支援であり、助産師はもっとその普及に貢献できるのではないかと考えるようになりました。

病院での経験を経て留学を決意

助産師免許を取得した後は大学病院の産科病棟で勤務し、不妊治療を経て妊娠された方に多く出会いました。さらに、多くの出産に立ち会わせていただく中で”高齢出産のリスク”も痛感しました。知識として知ってはいましたが、現場での体験を通して実感を伴うものとなり、改めて人生の早い時期から妊娠や出産について考えるプレコンセプションケアの重要性を強く認識しました。

この課題意識に対して研究の観点から取り組んでいきたいと考え、医療だけでなく教育や人権なども含めた包括的な視点を身に付けるため、公衆衛生学の研究が盛んなイギリスの大学院へ進学することを決めました。高校生の頃から長期での海外留学に憧れがあったこともあり、その気持ちも決断を後押ししてくれました。

しかし、問題は留学のタイミングです。留学期間だけでなく、留学前の準備や留学後のキャリアのことを考えると3〜5年単位での計画になります。臨床現場を早い段階で離れるということに抵抗や不安はあったものの、年齢も考慮し、なるべく早いうちに海外に出て日本を俯瞰する目と感覚を養うという目標を立てました。しかし、仕事をしながらの留学準備は想像以上に大変で、最終的には当初の予定より留学を1年延期することになりました。このプロセスを通じて「人生は全てが思い通りにいくとは限らない」ということも痛感しました。

EggUとの出会いとカウンセラーとして大切にしたい思い

EggUの存在を知ったのは、まさに留学延期を決断したタイミングでした。代表の志賀さんとお話し、キャリアもライフも諦めたくない女性を応援するというビジョンに強く惹かれ、EggUカウンセラーとして関わらせていただくことになりました。留学を延期していなければEggUと出会うこともなかったかもしれない。そう思うと、今ではこの出来事にも意味があったのではないかと感じています。

留学準備を通して、人生は一筋縄ではいかないものだと感じました。妊娠・出産も人生と同様、不確実性の高いものだと思います。個人の価値観だけでなく、パートナーやキャリアの問題など、人それぞれ抱えている事情は異なります。しかし、不確定要素が多い中でも、EggUを通じて自分の体の現在地を知ることは、自分の人生の舵を自分で握るきっかけになると信じています。カウンセリングを通じてそんなお手伝いができれば嬉しいです。一緒に次のステップを考えてみませんか?

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📝ライター EggUカウンセラー さき プロフィールはこちら

助産師・保健師として妊娠や出産を支えてきた経験を持ち、現在は公衆衛生学を学ぶためイギリス留学中。自身の大学院や医療現場での気づきから「知らなかった」を「伝えたい」へ。女性一人ひとりの自分らしい人生を支えたい、と思いEggUカウンセラーを担っている。

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